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PBW「エンドブレイカー」所属クラウス・アンブロシア(c12274)のプレ置き場予定地
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アルさんのミルク粥のおこげ部分を食べて思ったこと。


 甘かった。
 劇物だと知っていたのに口にした自分の思考回路が甘かった。
 それはもったりとして口腔内に絡みつき一瞬にして地獄を作り出したのだ。

 飽和するほど入れられた砂糖の限界知らずの甘さと
 煮詰められて濃厚さを増した牛乳のエグみの二重奏がこめかみ辺りに鈍い痛みを作り出してくる。
 しかし、甘いだけかといえばそうでもなく、
 時折口の中にあたる固い塊(多分、炭)は形容しがたい複雑怪奇な苦みを提供してくれた。

 吐き出せばきっと楽になれるのだろう。
 だが、それは自分が微かな友情を感じている紫の瞳をした彼の為にも出来ない。
 次善策といえば、嚥下してさっさと胃の中に収めてしまう事だが
 よほど丹念に煮込んだのだろう、余りの粘度に飲み込んでしまう事すら出来そうにない。
 結局、自分の出来ることといえば口内の消化酵素に応援を送る事だけだったのだ。

「コウバシイアマサデスネ」
 消化酵素の類稀なる働きにより何とか飲み下す事に成功し彼に告げた。
 真実を告げなかったのは、自分が作らせておいて不味いと言ってしまうのは気が咎めたからに他ならない。
「美味しいですか?」
 しかし、目の前にいる彼はそう首をかしげた。
 ワザと言っているのかと一瞬怒りが沸きあがって正直な口が真実を述べよう開きかけ、閉じた。
 こと自分の料理に関しては鈍い彼の事だ。悪意はないのだろう。
 それに、彼の屋敷の使用人達の事がある。
 ここで自分が不味いと言い放って粥をたたき返す事は簡単だが、
 その後で落ち込んだ彼を見て何と思うだろう。
 主の名誉とプライドを守るため遠まわしに諭し、
 料理から遠ざけてきた彼らの努力はその様な形で報われるべきではないのではないか?
 向かいに座って微笑む彼はもう23歳。何度もそれとなく示せば気付く日が来るのではないか?
 今日は完璧に失敗しているが、
 作戦を練り直し他者の協力を仰げばより良い解決方法が見えてくるのではないだろうか?
 そこまで考え込めばもはや真実を告げる気は失せていた。

「……嫌いでは、ないかな。」
 そう返すものの、引きつり笑いは抑えられなかった。
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(長くてごめんね!)
(ある日扉を開けると、クラウゼヴィッツ家使用人達が玄関先に並んでいた)

お初にお目に掛かります、アンブロシア様。
わたくしはクラウゼヴィッツ家使用人頭、ノーラ・アイスラーと申します。以後、お見知りおきを。
日頃より当家の若様……坊ちゃまと親しくなさって下さいまして、当家主人に代わりお礼申し上げます。また、ご挨拶に上がるのが遅くなりましたこと、お詫び申し上げます。

この度は当家の坊ちゃまが多大なるご迷惑をお掛けしておりまして、大変申し訳御座いません。
坊ちゃまは幼少の砌よりそれはもう良く出来たお方で、勉学は勿論のこと、音楽や芸術方面等才覚は留まる事を知らず、また挫折と言う物とも無縁な方で御座います。(贔屓目も入ってると思います)
何をおあそばれになられても完璧にこなされる方なのですが……たった一つ。そう、本当にただ一つだけ、才能にお恵まれになられなかったのです。(そっと目頭にハンケチ押し当て)
……坊ちゃまが幼き日にわたくしが病に伏せった折に粥を作って下さったのが始りで御座いました。あの時に私が心を鬼にして正しておけば、アンブロシア様にこの様な苦行を強いる事も御座いませんでしたのに……!本当に、本当に申し訳御座いません。例え坊ちゃまが初の試みに成功され、頬をばら色に染め天使の如き微笑みで「早くよくなって」等と仰られましても、わたくしが、あの時……っ

ああ、申し訳ありません、アンブロシア様。
アンブロシア様にとっては意味が無い事まで申してしまいました。お許しくださいませ。

お時間も取らせてしまい失礼かとは存じ上げておりますが、ただ一つだけ、お耳に入れて頂きとう御座います。
坊ちゃまは決して貴方様に危害を加えるおつもりでなさられている訳では御座いません。全ては貴方様を思って調理をされ、善意で行っていらっしゃるのです。
貴方様にとっては大変迷惑であろうことは存じておりますし、身勝手な願いである事も重々承知しております。
ですが、何卒、何卒坊ちゃまをお厭いになられないでくださいませ。

(クラウゼヴィッツ家使用人頭が涙ながらに切に訴えている頃、何も知らない坊ちゃんはぐだぐだと日々を過ごし惰眠を貪っていたとか。)
クラウゼヴィッツ家使用人頭 2011/02/18(Fri)01:23:34 編集
無題
(ずらりと並ぶ知らない人達に思わずドアの縁を握りしめてガクブルしておりました)

ひっぐ……あああ……。

(涙目を隠すように顔を背けて縮こまりながらの第一声。
 縁にしがみつきながら何とか息を整えて向き直り)

大丈夫。ぼ…俺もあいつに悪気が無い事はわ、わかっています。
そも、その位のこっ事で付き合いをやめる様な、そんな付き合い方はしたっ……したくないです。

俺の方でっでも何とか、料理を…料理を止めさせるではなく、少しでも向上出来るように……。
皆さんの負担を減らせるように、がんばってみます。

そ……それじゃ……。

(ガチガチに緊張し怯えながらもそれだけ答えれば、そっとドアを閉じて部屋の中に戻っていった。
中からうぐーうぐーという唸り声と枕を掴んでじたばたする音が聞こえてきたとか聞こえてこなかったとか)
クラウス 2011/02/22(Tue)00:10:18 編集
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